トラフィック(traffic)のご紹介

映画「トラフィック(traffic)」

トラフィック

スティーブン・ソダーバーグ監督により日本では2001年に公開された作品です。

アメリカ・メキシコ両国で麻薬密輸組織とそれを根絶しようと戦う者達の姿を描いた作品になっています。

実際に起こった事件や実在の人物をモデルに取り入れて描かれており、様々な映画賞にも輝きました。

メキシコのティファナでは、国境警備に当たっていたメキシコ州警察のロドリゲスとサンチェスのコンビが、捜査官として類まれなる嗅覚を持ちその能力で麻薬組織を見張り逮捕しています。

二人はサラサール将軍から気に入られ、重要な任務である麻薬カルテルの一味である暗殺者を捕まえるように命じられます。

麻薬カルテルのフロレスを逮捕して連行しますが、将軍はフロレスを拷問にかけ麻薬組織オブレゴン・カルテルの居場所を吐かせるのです。

オハイオでは判事ロバート・ウェークフールドは、麻薬取締連邦最高責任者に任命されて麻薬捜査で上級の役職に就任しました。

「自分は正義感の塊である。」とまで豪語するロバートですが、この時はまだ、自分の愛娘であるキャロラインは麻薬に手を染めて常習者となっている事を知りません

隠れて麻薬を使っていましたがある事件をきっかけに両親の知る所となり、ローバートは麻薬取締の役職にありながら自分の娘が麻薬中毒者であるという事実に葛藤するのです。

サンディエゴでは麻薬組織の捜査を続けている捜査官、ゴードンとカストロは組織の重要人物である麻薬密売人のルイスを逮捕します。

その人物の逮捕を糸口として麻薬王のアヤラと、一見幸せなお金持ちのマダムであるヘレーナが逮捕されます。

このヘレーナは麻薬王アヤラの妻だったのですが、セレブだと思っていだだけで自分がなぜ麻薬捜査に巻き込まれているのか全く身に覚えがありません。

それぞれ3つの土地での話が、映画の中で展開されてゆきます。

しかし徐々に物語が進むにつれ、麻薬とそこに係るそれぞれの役職や立場からこの事件に絡み合ってゆくことで話が繋がって行きます。

麻薬捜査組織のトップ・麻薬捜査官・麻薬密売人・麻薬カルテルのボス・その家族・そして麻薬中毒者。この連なりを、それぞれの視点から描いたのがこの作品で社会派ドラマとしての様相を呈しています

麻薬の負の連鎖は、上も下もなく、全てが繋がてしまっている事を如実に表現している事で、現在のアメリカに対する風刺という側面も垣間見えます。

見どころは、それぞれが独立した話として構成されながらだんだんと連なり、最後には全てがガッチリとつながるストーリーの構成にあります。

それらがどうやって紡がれてゆくのか、全くの他人同士でも繋がっているのだという事を改めて考えさせられる作品です。